きっと。

それが

宇宙だ。






一度至った
悟りの境地を
捨てることは

難しいだろうか。


人に奪われた美を
取り返すことは

難しいだろうか。



光悦は言った。


また

新しい美を

探せばよい。



そんな気がした。



光悦の庭には

きっと
水が流れていると
思っていた。


だけど

庭に水は
流れていなかった。



おそらく

光悦の中に

流れているのだろう。



湧々と

絶えることなく

流れる


清廉な水が。