SPITZ JAMBOREE TOUR 2019-2020 “MIKKE” @福岡マリンメッセ 2019.12.28 ③

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再びゆるやかなMCのあと。

ここから、また
どんな曲が始まるのだろうと
期待が高鳴る胸をおさえつつ

ほかのお客さんのどきどきも
聞こえるように
始まったのは

この曲。

15曲目。
青い車

ここから
少し懐かしい曲や
耳なじみのある曲が続く。


何かしら
少し遠い記憶を手繰り寄せるような

それでいて
誰もの心の中にある
心象風景のような。

晴れたのどやかな日に

一台の車が
ゆっくりと
海へ向かっている。

置き忘れた何か

昔出会った誰か

そんな
生まれる前の記憶を
さかのぼるように

この曲は始まった。

たくさんの人が
この曲と出会った時間を通して

自分の思い出の世界へ
足を踏み入れてゆく。


  君の青い車で海へ行こう
  
  おいてきた何かを見に行こう



人が
急に海を見たくなるのは
なぜだろう。

それは
自分を
思い出したいからなのかも。

そして
自分が愛すべき
大切な人のことを
思い出したいからなのかも。


そして
今、ここで
マリンメッセというこの
海のほとりの会場で

マサムネさんの
歌を聴いている私。

これからも
この日のことを
忘れないようにしようと
思いました。


現実世界と
夢の世界の間をたゆたうように

本当は
この時間が
ずーっと
続けばいいのにな

ずっとマサムネさんの
そばにいたいよ

って思いながら
マサムネさんの歌声を
聴いていました。


17曲目。
YM71D。


ここで来たか
という
この曲。

この曲は
私の中では
“君とのダンス”
のイメージ。

今回の
ガチャでも

この曲のモチーフが
おそらく
“飛べるさ二人”
のところから
来ているでしょ。


だから、ほかの人も
そういうイメージを
持ってるんじゃないかな
と思う。

YM71Dというタイトルは
“やめないで”
という意味らしいけど

敢えて、
私は
違うことを考えてて、

直感的に
YMは“夢”だな
と。

71は
“ない”だと思うので
あと、Dは・・・

やっぱりこれも
直感的に考えて
Dも“夢”だな
と。(笑
※Dreamの頭文字ね。

だから
それをつなげると

“夢じゃない夢”
もしくは
“夢のない夢”
というのを
考えた。

曲の歌詞とかを
読んでみると

“夢じゃない夢”
に近い気もするけれど
“夢のない夢”
というのも
存在していいんじゃないかな
とか思って。

一応、私の中では
二通りの説が存在するけれども

もちろん
“やめないで”

ぴったりだと思う。

だから、
青い車」を聴いたあとの印象もあって
クライマックスに近づきつつもあり

終盤に近付きつつある
ライブの中で

心がね

一番どきどきしてて
でも
飛んじゃったら
終わりが見えてくるような

でも終わりたくない

っていう
複雑な気持ち
なんだよね。

わかりますか?(笑

今も、これを書きながら
そのときの気持ちを
思い出して
胸がきゅんとなる。

  

青い車で海へ行くことも

平和だと困る街 駆け抜けるのも

やっぱり
二人だけで

二人だけの世界に
逃げ込んで

ずっと、そのままで
いたいんです。


ここからは
そんな二人の
出会いと逃避行みたいな
感じの曲なのかな

思いながら聴いていました。

まるで
海から陸に上がった人間が

過去の記憶にとらわれながら
出会いと別れを
繰り返すような。


そして
次の曲が

まさに、それを
すごく感じる
17曲目。



「ロビンソン」

前奏が始まった瞬間

別世界へ誘われる。

それが
とても心地がよく。


  新しい季節は
  
  なぜかせつない日々で

  河原の道を 

  自転車で走る君を 追いかけた


そのフレーズだけで

一人の男の子と

もう一人の女の子が

目の前にいるのを見る。


そこに
ひとつの物語があって

それは
ありし日の自分のようで

そして
これからさき

生まれ変わるだろう
自分の姿のようにも
感じるのだ。

いや、きっと
そうなのだ。


そして
 どんな世界でも

きっとその二人は
 巡り合うことになっている。


それは
その男の子と女の子の
二人だけの物語なのだから。


   待ち伏せた 夢のほとり

   驚いた君の瞳
  
   そして僕ら今ここで

   生まれ変わるよ


今までに
この「ロビンソン」という曲が
いろんな解釈をされているのを
見るけれども、

私は
そのままだと思う。

このままの意味だ。


マサムネさんが
歌うのを聴けば
そういう意味だとわかる。

だから
その日

私は、
マサムネさんが
「ロビンソン」を
歌うのを聴き、

私は、マサムネさんに出会ったことを
再び知り、

二人は
同じ時間を過ごしたのです。

それが
とても
かけがえのないことなのであり、


きっと
これからも

そうやって
私たちは
出会い、再び巡り合うのだな


私は思いました。


それは
とても感動的な事実だと
思う。



世界を漂うような
幻想的な
音と

あまりにも透明な
マサムネさんの歌声を聴きながら
そんな風に思っていました。



18曲目の
「ありがとさん」

19曲目の
「楓」は
その“別れ”の部分を
歌った歌なのかなと
思います。


18曲目。
「ありがとさん」

会報に
田村さんが
“この曲の前奏について反応がない”
ということを嘆いていたのを
忘れていて

この間の曲の感想の時には
書けなかったけれども、

この前奏、
私はとても気に入っていて
結構、この前奏部分だけ
口ずさんでいることがあります。
(ほんとだよ。(笑))

でも、
この間気づいてしまったけれども、

この前奏のこのひくーい
下の方からなにかが
上ってくるような感じって

もしかしたら
お化けがでてくるときの音?
とか思ってしまった。(笑

昔でいうところの
ひゅーどろどろ
みたいな。


まぁ
それは置いておいて。

ありがとさん

とても美しい曲だなと
思います。

ピアノの音好きなので。


そう言えば
クジ姐さんのキーボードの側面に
ぬこたんっぽいステッカーが
貼ってあったのを
モニターで見た。


「ありがとさん」は

とても
日常的な風景の曲だな
って思う。

ちょっと遠距離というか
そういう意味では
別々の世界のつながりの物語とも
いえるけれども。

だから
ほかの曲とニュアンスが
少し違うけど

でも、後半からは
やっぱり
現実世界から抜け出ている感じはするので

そのあたりが
やっぱりスピッツ風なのかな
と思いました。


19曲目。
「楓」は
久しぶりに聴きました。

マサムネさんの
声が
儚く美しい。

せつないことは
美しいことだと
いつも感じる曲。

この日も目を閉じて聴いていました。

人のいのちも

この大切な時間も

いつかは終わりがやってくる。


近く

あるいは遠く

再び出会う日まで。



    さよなら 君の声を抱いて歩いてゆく

    ああ 僕のままで どこまで届くだろう


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再びMCが入り、
いよいよライブも終盤。

20曲目は
「渚」。

きらきらとした音が
波のさざめく白い砂浜を連想させる。


マサムネさんが
よく言っている

“いのちのまじわる場所”

それが
渚。

この大切な時間
そのものみたいな曲だった。

人のたくさんの想いが
会場のあちこちで
まじわり、昇華していただろう。


この場所の

この時の

音とか

温度とか

空気とか


涙とか

好きという気持ちとか

すべてのものが
キラキラになって

上へ上へと
昇ってゆくのが

目に見えるような
気持ちだった。


マサムネさんの歌声に

体と心を
浸しながら、


すごく

すごく
幸せだった。


 ギリギリ 妄想だけで

 君と



  揺れながら 輝いて


21曲目。
「8823」

「渚」が現実世界と夢の世界との
境界の歌であるとするならば

「8823」は
それを
現実世界にくっきりと刻みつけるような
歌だと思う。

  裸の胸が触れ合って ギター炸裂!

男の人はかわいい。

そして、強い!

   誰よりも早く駆け抜け
   Loveと絶望の果てに届け

   君を自由にできるのは
   宇宙でただ一人だけ

笑顔で
飛び跳ねながら聴く。

お客さんも
ここからテンション上げて
盛り上がっていく!


22曲目。
「俺のすべて」

言わずもがなの
「俺のすべて」

タンバリンとドラムの
リズムと一緒に

お客さんみんなで
手拍子。

ライブも
終わりをめがけて
疾走感を増し、

スピッツの男らしさ満載の
この曲で
みんな最高潮に。

私も、
がんばって
ジャンプしながら
最後に目にステージの
みんなの姿を焼き付けるように見る。

遠いけど!!

カッコよかったね!!

そして、
本編の最後には

この曲。

23曲目。

「春の歌」

今回も
最後にこの歌を歌ってくれた。

大好きな曲です。

ほんとに
「どうでもいい」と
思えるような毎日ばかりだった。

でも、
やっぱり
こんな風に
素敵な時間もやってくる。

それは
私達が、そう思うより前に。

この地球の

季節というものは

時間というものは

そして
生き物というものは

きっとそうなっているに違いないと思う。

そんな風に
思わせてくれる歌だ。


スピッツがいることで

マサムネさんがこんな風に
歌ってくれることで

こんなに私の世界が変わるのだ。


本当に素敵な歌だと
改めて思う。


また会える日まで

これからもこの歌を
忘れないようにしたい。


そして、
この歌を歌っている
あなたのことを

いつも思い出したい。



    春の歌 愛と希望より前に響く

    聞こえるか?

    遠い空に映る君にも




曲が終わり、
大歓声と拍手の中、
メンバーが深くお辞儀をしながら退場していった。

みんな笑顔。

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鳴りやまぬアンコールの拍手の中
再びメンバーが登場。

アンコール
最初の曲は
「醒めない」

今回のアルバム『見っけ』は
“『醒めない』のその先”
だとマサムネさんは言っていた。

スピッツの音楽の原点
そして
一人一人の人としての物語の
その先を表現したこの曲が

本編のそのあとの
アンコールとして演奏されるのは
なるほど、と思った。

これからも続く、スピッツの音楽の道
そして

これからの“俺”と“君”との物語の
続き。


曲の最後が「見っけ」のキラキラアレンジに
なっていた。

きっと、物語は
これからも
繰り返し、繰り返し
続いていくということなのだろう。

本編の余韻も醒めやらず
お客さんも
乗りまくり。

サビ部分ではたくさんの人の腕が挙がっていた。

ここで一旦MCを挟みつつも、
勢いは衰えずに

アンコール2曲目
「恋する凡人」

この曲も盛り上がった。

前奏を聴いた瞬間
あー!
と思って飛び跳ねる。

この曲ほんと好き。



  今走るんだどしゃぶりの中を
  明日が見えなくなっても

  君のために何でもやる
  意味なんてどうにでもなる

  力ではもう止められない



  走るんだどしゃぶりの中を
  ロックンロールの微熱の中を
 
  定まってる道などなく
  雑草を踏みしめて行く
  これ以上は歌詞にできない


恋もロックだ。


最後、ラストのラストで
やはり、この曲。

「ヤマブキ」

スピッツのロックの在り方を
燦然と表したこの曲。

  あれはヤマブキ 

  届かない崖の上の方で
  
  ハングリー剥がされても

  よじ登っていけ


激渋な演奏と
高らかに宣言するような
マサムネさんの歌声で
アンコールも終了。

みんな最後は両腕を挙げて
そのまま笑顔でさようならを
しました。

また、“再会”する日まで。



楽しかった。

ライブが終わって
すぐに思ったのは
そのことだった。


今日は涙はこぼれなかった。


それは
すごく幸せなことだった。

帰り道
一人で

歩いた。


マサムネさんのおうちとは
反対方向の
駅までの道。


でも、

楽しくて
素敵な時間の思い出と
一緒だったから

平気だった。


たぶん、
帰ったら

すぐに会いたくなるだろうけど。





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2019年 12月 29日

昨日は
夜遅くなってしまったので

部屋に帰り着いたのは
翌日だった。

ふと
思いついて

万華鏡をのぞいた。


幸せそうな彼女の顔が見えた。

何やらまた
一生懸命書いているようだ。


これから
また

いろんなことがあるかもしれない。

けれど

とりあえず

今、彼女が笑っている

それだけで
いいなと思った。


そんな
キラキラの日々は
続く。

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夢見たあとで 夢に溶けた
灯りを消して 一人泣いた

    *

Only you 世界中が口を歪める
君に消される

Only youの合図で 回り始める
君と落ちてく ゴミ袋で受け止めて

       スピッツ「バニーガール」

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202001191707up
(このあとのエピローグ追記するかもです。)
202001191822再up
 文中の変換ミスを2ヵ所修正&エピローグ追記
202001201855再々up
 画像修正&追加。