いのちの螺旋構造。


若葉の美しい

緑色の
楓の葉を

見ていた。


蜂や

他の虫達が

枝のまわりを
旋回しながら飛び

無事
葉に着地しては

忙しげに
動きまわっている。


きっと
人間の私には
わからない

何かの営みの
ひとつなのであろう。


そんなことを
考えつつ

じっと見ていたら

この光景が
何かに似ていることに
気づく。


高い
近未来的な
高層ビル

それに

羽のついた
おそらく
空を自由に行き来できる
未来の乗り物が

今使われている
自動車と同じように

日常的に飛び回り

忙しそうに
建物へ入ってゆく
光景。


そうだ

人間が考える

未来の理想型。


それが


目の前にある。


とても

美しく

しなやかな
かたちで。


神様が作った

既にある
理想のかたちを

人間は

必死で
模倣し続けている。


AIの未来と

人間の脳について

この間
考えたことを

思い出していた。


果たして

人間は

本当に

進化しているのか?


人間は

このような

しなやかな
いのちを

作り出すことが

できるようになるのか?


わかりきった

ある種の
絶望に満ちた
答えを

予想しながら。


私は

きらきらと輝く

みどりいろの

やわらかな葉を

見ていた。



その

ずっと
ずっと

内部にある

ミトコンドリア
やら

なんやら

いのちをつくる
構造物を


一生懸命

見透そうとして。


でも

目の前にあるのは

完成された

美しい
若葉だった。


神様は

完璧な世界を

既に
作った。


ただ

いのちや

美しさは

有限である。


それも

神様の思惑なのか?


どうなのか。



この世界の

バランスを
考えながら


また

少しだけ

眠くなる。



201804201230